子供に対する教育方針②(子供を医師にすべきなのか)

教育

代々自分の家系は医師であり、妻の家系も医師で親戚ほとんど医師だ。

当然私たちの子供も医師にさせるだろうと周囲は思うかもしれないが、私たちはそれは子供自身が決めることだと考えている。

私は小さい頃からずっと医師になれと言われ続けていたが、決してそれに反発しているわけではない。

むしろ私を医師にしてくれて両親には本当に感謝している。

実際社会的地位は高く、収入もサラリーマンの中では高い方で、チェーン店の飲食店で値段を気にせずご飯を食べている時いつも両親に感謝している。

例えば日曜日にひとりでお昼にくら寿司を食べに行ったが、値段を気にせずたらふく食べた。

くら寿司をたらふく食べている最中、私自身本当に自分の身の上の環境に心から感謝した。

摂取カロリーが高くなるので、もう少し食べたいのを我慢して結果的に21皿で3780円だった。

我ながら昼飯でこんなに使ったのかと少し驚いた。

しかしこれを聞いて「たかがチェーン店で無双しているだけか」と言われるのか「さすがお医者さんだな」と言われるのかは受け取り手によるのかもしれない。

ただどちらにしろこれから医者の懐状況は悪くなり、チェーン店で無双することも難しくなるかもしれない。

その理由は第一に社会保障費が国の財政を逼迫しているのは連日のニュースで取り上げられているが、当然出血を防ぐには診療報酬を下げざるを得ない。

診療報酬が下がれば、病院収益は下がる。

人件費を抑えるしかないわけで、医療従事者の給料を下げる。

もちろんこんな単純な対応になるわけがないであろうが、似たような筋書きはいくらでもかける。

もしくはある程度の診療は保険が効くが、欧米のようにお金がないと高額医療は受けれられないようになるかもしれないが。

ここまでは今までのニュースを見ていればなんとなく想像できる。

しかしニュースにはまだ取り上げられてはいないが、いろいろな書籍でも取り上げられているAIドクターの誕生が我々の食い扶持を脅かすのではないだろうか。

すなわち理由の第2としてAIドクターの台頭により医師の需要が今後減ることが予想されるのだ。

近年AIによる診断レベルの向上がとにかく著しい。

近年と言っても、AIドクターの台頭からだいぶ月日が経過しており、欧米では実装も間近だと言われて久しい。

AIドクターの診断能力はすでに人間医師を超えているとされており、費用も一人の医者を育てるよりも断然コスパが良いのだという。

一人の医者を育てるのに1億円かかると言われているわけだが、それに比べると最初のAIドクターの開発費は膨大になるものの一度アプリ化してしまえばコンピュータにダウンロードすればよい。

AIドクターを一台一台のwindowsやmacにダウンロードさせれば、家庭もしくは個人に医師を派遣しているような状況に等しくなる。

しかもアップロードを繰り返しながら永遠に使えるわけだ。

生身の医者と違って寿命もない。

日進月歩に進む医療も、AIが常に学習しているので、常に最新医療知識だ。

また各々のAIドクターが日々の診療でブラッシュアップされた診断能力を全AIドクターが常に情報共有する。

そしてこれら知識をアップロードとともに全AIドクターが刷新され同時に能力が向上していく。

我々がデータを集め、分析し、論文、学会で発表して、常に新しい医療情報にアンテナを張っている医師から順に(残念ながら医師全員が一斉に新しい医療知識を得ているわけではない。古い情報しか知らない医師もいる)徐々に日常診療に取り入れられるような歳月が、iOSのアップロードのようにAIドクターはたった一日で完了してしまう。

生身の医師が束になってもAIドクターには敵わないのは至極当然のことなのだ。

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上記本の内容のなかで、AIドクターの台頭は全技術革命のほんの一部でしかないが、これほどまでの技術革新がもうすぐそこまで迫っているという。

これがおとぎ話でないことは、世界的ベストセラーになった「サピエンス全史」の著者でもある天才歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏の第2作目

ホモ・デウスという深い見識から書かれた著書にも、未来の一部として医師の我々に教示してくれている。

人間の医師には要はない

そんな未来も決して遠い話ではないというのが現実として叩きつけられている。

ただ私は医師になってはいけない、というのではない。

安定してかつ比較的高収入だから、医者家系だから、という理由で目指すのはもうやめておいた方が良い。

もし我が子が私を見て医者になりたいと言ってくれるのであれば、親としてこれほど嬉しいものではない。

そのときは全力で応援し上げるべきだと思う。

収入など鑑みずに人の役に立ちたいという崇高な目的があるならば、医師ほどやりがいのある職業はないと思う。

今ほど活躍の場がなかったとしても人の役にたつことはできるだろう。

医療というのは全てがAIにとって変わることができるものではない。

やはり人と人だからこそかなう医療の現場は必ず存在し、それはAIやロボットにとって変わるものではないから。

親としては自分の職業に憧れを抱いてくれることは基本的には嬉しいものだと思う。

でもできればチェーン店で値段気にせずご飯食べられるような自分と同じ収入状況であって欲しいと思う。

それが今後医師は今より厳しい経済状況にならざるを得ないのであれば、全力で応援しながらも気持ちも複雑かもしれない。

色々くだ巻いたが、結局は必ずしも医師にさせるつもりはない。

これが私の出した結論である。

30代後半の医師、専門は脳神経外科。医局の出世レースから早々に弾き出され、田舎の病院でシコシコ診療をこなしていた。つい最近結婚して、ほぼ同時期に妻の妊娠が発覚した。毎日同じような診療をこなすことしか能がない医師が、ついに子育てという超一大事業に立ち向かうことになった。スーパードクターとは程遠い平凡な医師が幸せ家族計画を立ち上げてさまざまなことに挑戦している奮闘記ブログ。

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