今現在も自邸の建築が進んでいる。
各部、丁寧に気密施工していただき、建築途中経過の気密施工を近々行う予定だ。
積水ハウスは、つい最近まで気密施工が標準ではなかったようで、営業担当マンも気密施工の工程を気にしているようで、何度か見に来てくれていた。
本邸で使用される屋根材は今年夏から発売された新素材のようで、事前勉強会が担当チーム内で開かれていたり、何かと支店の方でも注目される建物のようだ。
地域の支店から、施工や工程に支障を来さないよう担当営業マンに注意喚起されているようだ。
設計に携わってくれたそのほかの方々も会社からやや距離のある物件であるのにも関わらず、足を運んでくださっている。
当然ここまでハウスメーカー側に不満点なく、心から安心している。
このように順調にことが運んでいるのは、すでに家を建てた施主たち、諸先輩方の記事や動画を拝見し、かなりの失敗リスクを回避できた成果だと思っている。
諸先輩方の得難い知見をネットで好き放題見れるのは良い世の中だ。
売り手との情報の非対称性が小さくなっている。
諸先輩方に敬意を表し、私の成功と失敗に関しても、まだ自邸は建築中だが、今までの記事を含めてまとめてみた。
ここまでの具体的な成功事項は以下だ。
対して失敗、というよりもう少し考えておきたかったというのは以下だ。
営業マン選び(ハウスメーカー選び)
まずは成功事例から紹介する。
私の場合はSUUMOカウンターにお願いした。
Youtuberが「優秀な営業マンをご紹介します。」とよく謳っている。
これに対して私は、youtuber個人と連絡を取るのが嫌だったのと、たかが個人が優秀な営業マンを紹介できるほど大手企業に影響を及ぼすことなどできないだろうと思って信用していないかった。
紹介料目当てだろうとも勘繰っていた。
実際SUUMOカウンターから紹介してもらってよかったと思う。
SUUMOカウンターは「優先事項を教えてください、それによって紹介するハウスメーカーを考えましょう」ということであり、「一にも二にも営業マンが大事」と伝えた。
なんで営業マンが大事なのかというと、営業マンの実績によって家づくりは大きく変わってしまうからだ。
同じ金額をかけたはずなのに、隣のおうちが素敵に見える、というのはよくあることで、営業マンに力があるかどうかで結果(家)は変わってしまう。
しかしその事実知ったのは、本格的に家を立てることを決心してからだった。
実はすでに資料請求をめぼしいハウスメーカーにしてしまったので、私に対しての担当営業マンは決まっている状態だった。
資料請求や展示場見学をして、個人情報を提出した時点で、その目の前にいる人間が営業担当者となってしまうのが通例らしい。
資料請求した際に、各ハウスメーカーの営業マンらしき男女から電話がかかってきたが、いずれも若い男女であり、なかには辿々しい説明をする者もいた。
それもそのはずで、資料請求を受け取るのは、まだ営業実績が少なく、契約件数が少ないため、時間を持て余した者が担当するからだ。
なので、大抵は若手か売れてない営業マンにあたってしまうようだ。
資料請求したタイミングはマンションか戸建てかを考える際、戸建てはどんなものかという軽い気持ちで資料請求してまったのだ。
SUUMOカウンターからも担当営業マンが変わるかどうかはわからないといわれた。
しかし結果的に、全てのハウスメーカーの営業担当者が入れ替わった。
SUUMOカウンターの交渉力が証明された。
どのハウスメーカーの営業マンも非常に有能な才を持ち得ていることは、言葉の端々から感じることができた。
そのなかでも今回は積水ハウスの営業マンと契約することにした。
その営業マンはSUUMOカウンターでも何度も表彰されるほど、実績がある方だった。
施工例を見にいくと、エスコートが驚くほどスマートであり、施工主とも良好な関係を気づいていることも見てとれた。
請負契約後も、後輩営業マンとタッグを組み、調査なども含めて分担作業で打ち合わせを進めてくれた。
優秀な営業マンのもとに、優秀なスタッフは集まる、というのもまさにといったところだ。
今回は数々の実績と評価を得ているエリート設計士を中心に、さまざまなサポートメンバーが招集され、出来上がった3Dパースを見ると、本当にここに自分が住むのか?と正直に思ってしまうほど素晴らしい邸宅完成図になった。
土地選び
土地選びは一回の下見で決めてしまった。
あらかじめ地域を絞っていたので、そのなかで一番よいと思った土地を契約しようと思っていた。
さらに、不動産の担当営業マンが土地買取交渉中の案件が、買主(我々)と売主が提案する全ての条件に合致していた。
100坪ほどある売主の実母の土地を半分にして姉妹でわけるかどうかで悩んでいたが、土地を分けた場合、片方の土地が高く売れた場合不公平感が出てしまうことに悩んでいた。
私たち夫婦はとりあえず100坪の土地を目標にしていたので、分ける必要がなくなったのだ。
また、医師という職業属性が確実に銀行から融資が降りることを見越したこともあってのことだと思う。
ちなみに私たちの条件は以下である。
①100坪
②南向き
③ハザードなし
④日当たり良好
⑤隣接道路が広い
⑥メイン通りに面していないけど、メイン通りから遠くない
⑦閑静な住宅街
⑧地区でも評判の良い小学校の学区内
⑨駅まで歩いて行ける
まあなんと贅沢な、と思われるかもしれない。
補足しておくと、東京駅まで直通1時間10分かかるので、いわゆるトカイナカになるのかもしれない。
なので、土地がバカ高いというわけではない。
ただ、この好立地がほぼほぼ一発目にドン、と我々の目の前に現れた。
一発目に出てしまうと「こんなすぐ見つかるなら、優良な土地ってまだあるのでは?これより良い物件が今後出てくるのでは?」と思うのが心理だが、なんとなくこれは出会いのような気がして即決した。
実は私は最初ピンときていなかったが、妻が一瞬で好立地な土地であることを察知してくれており、妻の勘を信じて大当たりだった。
上記条件は半ば契約が決まってから気づいた好立地条件でもある。
それなりに重要なことに関してよく頓珍漢な対応する妻も、超重要事項にはなぜか勘が働くものだ。
よく患者、患者家族と話ししていていも、旦那よりも妻の方が勘の良い質問を投げかける印象を受けるが、女性はもしかしたら男性よりもここぞというときの勘は冴え渡るものなのかもしれない。
その後、結局同じような好条件物件は出ていないようで、これより悪条件の土地が高く売りに出ている状況だ。※私たちの契約した土地は心理的瑕疵なく、地質調査でも良好であることも確認済みだ。
まだ契約して半年なのに、地価の値上がりが凄まじい。
本当に土地探しは、タイミングと出会いであることを痛感し、一発目から目の前に好条件を提示された時に、迷わず判を押す気概がなければ到底土地など決まらないだろう。
間取り決め
各ハウスメーカーから間取りを提案される前に、自分でたくさんの間取りを考案していた。
家事動線に重きを置いて、駐車場や庭についても、さまざまなパターンを思案した。
結局どのハウスメーカーも私と同じような間取りか、特に駐車場の配置に不自然さが残るような提案も見られた。
積水ハウスを除いて。
積水ハウスのチーフアーキテクト制度については少し調べればわかる制度だが、いわゆるトップ設計士だ。
私は正直、その制度自体は、ただのパフォーマンスだと思っていた。
社内の厳しい基準をクリアした設計士と言われても、その基準を満たしている証明などできないのだから。
もしかしたら、ある程度は当たっているのかもしれない。
しかし本邸を担当してくれた設計士は全く次元が違った。
他のハウスメーカーの設計士とは一線を画したパラダイムを基に、間取りを提案してきた。
東西南北の景色、変わりゆく家族構成、空間と時間軸を兼ね備え、風の流れや、景色の抜け感を読み込み、だれも考えられなかった間取りだ。
その提案を見た時はまさに晴天の霹靂だった。
修正箇所なしで、そのままの提案を受け入れた。
よく他社から一括して間取り提案を受け取るサイトがあるが、その土地ひとつひとつに特徴があり、その特徴から視線を得るところ、遮るところ、日当たりを得るところ、などその土地に足を運ばないと深いところで納得できる間取りができないため、土地の形を見ただけでは解答には至らない。
積水ハウスの設計士は私を含めて、他社の設計士の間取りを圧倒した。
設備
金額がかかる3大設備はキッチン、トイレ、風呂だ。
仕様によって数百万ほど変わる。
私の場合はキッチン:Panasonic L-class、トイレ:TOTO ネオレスト、風呂:積水ホームテクノ(いやゆる標準使用)だ。
優先順位はキッチン、トイレ、風呂の順で考えていたわけだが、キッチンはL-classでないと妻が納得しなかったことと、トイレこそ家全体の格式を決めると思ったから奮発した。
実は一日に2回お風呂に入る私としてはお風呂にもお金をかけたかったが、お風呂のグレードをあげると、大幅に金額が上がる。
トイレを最高級にするのと桁がちがう。
現在はわたしたち家族は積水ハウスの賃貸シャーメゾンに住んでいるのだが、お風呂設備はそれと全く同じ仕様になった。
シンプルなつくりなので掃除がしやすく、他社よりもバスタブの容量が大きめに作られているため、大柄な私も入りやすいので、かえってこれが良いのでは、と思うようにした。
なお私なりの設備の決め方としては、最高級にするのに、お金の幅が小さい方から最高級にした方が良いと思う。
トイレを最高級にするのに標準グレードから20-30万程度、キッチンは200−300万、お風呂は300万〜かかるという印象だった。
であればトイレから最高級にするから始めるのはいかがだろうか。
おしゃれは足元から、家の格式もトイレのグレードをあげるだけでも一段上がるのではないだろうか。
金利
こればっかりは運というしかない。
2010年の超低金利時代に変動金利で購入した層は金利の面で言えば大当たりだ。
今から金利があがっても、すでに半分以上は元本を返し終わっているからだ。
今後は金利上昇局面になる。
すでに2023年イールドカーブコントロールの廃止から始まり、2024年金利ある世界に突入した。
どちらがお得になるのか、といえば当然変動金利だが、どちらの方がリスクが低いかといえば固定金利になるだろう。
当たり前のことを言っているようだが、リスクを許容できるものだけが変動金利を選べるといえる。
10年くらい変動金利を維持できたら「賭けに勝った」と言っても良いのかもしれない。
今の変動金利であれば、10年ほどで半分くらいの元本を消費できる公算のようだ。
大方のなんちゃら評論家たちの見立ては崩れ去り、金利はすでに一度金利が引き上げられ、また年内にもう一度金利は上昇する見方が強い。
わたしは今年の9月に地方銀行で固定金利で組んだ。
11疾病団信付きで固定金利1.5%だ。
しかしおそらく来年以内には日銀の政策金利は0.5-0.75%までの引き上げが予想されている。
予想によっては1%なんて話もある。
それよりも今後上がるかどうか不透明だが、アメリカ大統領がトランプに決定した今、結果的にインフレが加速する政策を打ち出す可能性があり、インフレの再上昇が懸念される。
インフレが上昇すれば当然金利が上昇する。
アメリカの金利につられて、日本の金利も上昇するだろう。
バブルのような好景気など関係ない、金利上昇に、我々は耐えられるのだろうか。
バブルが来ない限り(そもそも来るわけがない)高金利にならない日本では変動一択!と謳っている住宅ローンアナリストが買う恨みはいかほどだろうか。
変動金利を組んでいるのが7割強、そのほとんどが潰れるなら、死なばもろとも、というつもりで変動金利を組むのも意外にありかもしれない。
なんだかんだ政府が支援してくれるだろうから。
その支援の網から落ちる可能性も許容したくない臆病者は私のように固定金利を組んだ方がよいだろう。
まだ1%台で組めるのだから。
団体信用生命保険
一方ここで失敗、というかもう少し考えておけばよかった事例について話を進めよう。
そのひとつは団体信用生命保険、通称「団信」だ。
借主に何かあった時に、ローンを肩代わりしてくれる生命保険だ。
何かあった時に免責する程度が団信の商品によって違う。
高度障害〜死亡で免責が一般的な団信の最低限の条件だが、これにガンが加わるとガン団信、脳卒中、心筋梗塞が加わると3大疾病団信、生活習慣病を加えた7大疾病、11大疾病、全疾病と保障範囲が広がる。
ただ私は保障する対象疾患の範囲ばかり目がいって、その保障の免責されやすさを気にしていなかった。
とりわけ脳卒中に関しては特筆すべき点だ。
例えば三菱東京UFJの免責約款では、脳卒中で入院した瞬間に免責だ。
これはすごいことだ。
どんなに軽く、ほぼほぼ後遺症の残らない脳梗塞になったとしても、住宅ローンがなくなるなんて、不謹慎なことを言えばラッキーだ。
そのほか一般的な3大疾病は60日以上の入院で免責になる。
60日程度の入院は、リハビリが必要な程度の脳梗塞であり、それなりの後遺症が残る脳梗塞である。
これ以外が重要なのが、7、11、全疾病は180日で免責というものだ。
はっきり言って、180日以上脳卒中で入院になることなんてほとんどない。
180日以内にどの方向性であれ退院になるからだ。
これについて気づいたのは、ローン組んですぐだった。
免責内容の手厚さについては、銀行担当者はあまり語ってくれるない。
というか、内容を十分に把握してない担当者もいる。
家づくりや金利のことで頭はいっぱいだろうが、なんとか団信の勉強まで漕ぎ着けてほしい。
ローン総額
もうこれは完全に予算オーバー。
見積もりを出してもらう時点で、全てやりたい放題、贅沢三昧にしたのにも関わらず、見積もりよりも若干高くなっていた。
見積もりで限界まで高くなるようにするためキッチン、トイレ、お風呂、カーポートなども全部最上級グレードにした。
そうすれば見積もり以上の金額にはならず、削減していけばよいと思っていたからだ。
しかし甘かった。
設備のグレードは先述した通り、お風呂のグレードを標準にしたが、設計士の提案があまりにも魅力的でそのほかを削ることなどできなかった。
また最近増えた防犯対策、洋室→畳部屋への変更、また気候変動で増えた災害対策で予算は想像以上に膨れ上がった。
最初から絶対超えてはならないラインを決めるべきだった。
私のように、なんだかんだ増える住宅ローン総額が増えるたびに月々の返済額を計算してしまったものだから、ほしい設備をつけるかつけないか優柔不断な状態になってしまったタイミングが多々ある。
そのため、だらだら防衛ラインを引き上げてしまう事態に陥ってしまった。
超えたら、超えた分だけの設備を省くべきだが、省いた分は稼いだ後にあと乗せする方が良い。
あと乗せにすると、先乗せよりも設置コストがかかったり、先乗せの方が綺麗に仕上がったりするが、結局本当にいるのかどうか住んでみて精査して要らないと判断できるものもあったりと、結果的にあと乗せの方が経済的である場合もある。
私がそれをやらなかったのは間違いなくマイホームハイ(自宅を建てる施主が必ず味わう高揚感)のせいだ。
現在利息支払いは始まっているので、現在の賃貸の家賃と合わせると、住宅ローン元本支払いが開始された支出を大体同じになっている。
今までより外食、旅行の敷居は上がったものの、妻が一生懸命毎日料理を作ってくれたり、今までより生活レベルを下げるよう日用品の購入品目を厳選したりしてくれたおかげで、購入前と毎月の貯蓄額は変わらない。
もし仮にそれができない、成功しない場合は住宅ローン地獄が待っているので、経済状況や自分の人生のバランスを保っていけるかどうかが、この住宅購入が成功だったかどうかが決まる。
総括
住宅購入の成功、失敗について、今回まとめた。
もちろん完成して住んでみないことには明らかな後悔や失敗ポイントは抽出できないだろう。
しかし本当の結果は、人生を終えるその直前に決まるのではないだろうか。
そもそも終の住処になるかどうかもわからないし、このあと自分の人生がどのようになるのかもわからないのだから。
いくら人生設計を十分考えてもその通りになるとは限らないから、最低限の知識を得て、購入の決心を決めたら、あとはまっすぐ進んでいくしかない。
今後の人生どうなるかわからないから賃貸でいく方が賢い、という論調が大勢を占める中、あえて逆張りしろというわけではないが、注文住宅で得られたはずの10年以上の満足感を逃し、賃料に消えていく将来のサンクコストにも目を向けたいところだ。
経済的にもオリンピック後は土地価格が下がる、なんて論調が多数派だったが見事に外し、都心では年収2000万以上が最低必要と言われるほど地価が上がっている。
そもそも少数派意見が間違いなんてことは全くない。
つまり賃貸か持ち家か、マンションか戸建てか、人によって答えが異なり、すなわち「正解はないというのが正解」というパラドックスを常にはらんでいるわけだから迷っていても仕方がない。
自分が今どうしたいか、どうありたいのか、これを正直に形にするべきだと考える。
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