平凡脳外科医のマイホーム計画⑧(団体信用生命保険編)

マイホーム計画

現時点(上棟を終えて)で、まったく建築図面の変更なく、安心して家の完成日を待ち侘びている今日この頃。

平凡脳外科医のマイホーム計画⑦(地鎮祭〜上棟)
家を建てようと思い立ち、10ヶ月程度経過した。先日上棟後の家見学をした。つい最近、地鎮祭をしたばかりなのに、もう上棟された。地鎮祭を行なって、わずか1ヶ月すこしのことだった。地鎮祭...

現時点で自邸の内容については全く後悔せず、むしろ常に正解を選び続けることができたと思っている。(もちろん完成してからが勝負というところもあるだろうが)

ただ唯一、もっと考えれば良かったのは団体信用生命保険だ。

これはYoutubeでも間違えた情報、もしくは補足したほうがよい情報が氾濫しており、非常に勘違いしやすい内容があった。

団体信用生命保険とは

俗にいう団信とは、借主(施主)に何かしらの不幸があれば、住宅ローンをカバーしてくれる保険だ。

不幸の内容はさまざまであり、基本サービスとして、死亡か高度障害を負った場合、住宅ローンは免責される。

それに加えるとガンの診断されると免責されるのが、ガン団信だ。

さらに脳卒中、心血管系を加えたのが、3大疾病。

このあと生活習慣病を含めて8疾病、11疾病。

しかし8疾病、11疾病は3大疾病を包括している、かのような説明をされている情報が多い。

完全に間違ってはいないが、包括していない部分があり、その説明が足りないことが多く、よく勘違いされている原因。

3大疾病、8疾病、11疾病、全疾病でよく起きる勘違い

一番大きいと感じたのはどの時点で、住宅ローンが免責されるか、である。

一般的に上皮内ガン以外の悪性新生物、すなわち臓器ガンと診断されたら免責になる。

ここまでは一緒。

しかしそれ以外の脳卒中、心筋梗塞の入院期間による免責の違いが大きい。

3大疾病は診断されて60日以上入院が続いた場合は免責であるサービスが多く、8、11疾病は180日以上入院が続いた場合は免責になることが多い。

この入院継続期間の違いはものすごく大きい。

生活習慣病の関連疾患で、180日以上入院継続による免責対象になることが極めて少ない

もし寝たきりになるレベルではあれば、そもそも一般団信の高度障害による免責事項に属することになり、入院期間など気にしなくて良いが、高度障害の既定範疇に適用されない重症度で後遺症があるとまずいことになる。

入院期間を私が患者や患者家族に説明する時、よく勘違いしていると感じるのは、手がかかる状態、介護が必要な状態の場合、延々と入院継続するもの、と勝手に思い込んでいる。

それは医療行為と介護をごちゃ混ぜにしている。

医療行為というのは医師、もしくは看護師免許取得者でないとできない行為をさす。

一般的な介助、介護、たとえば食事介助、立位介助などは介護士もしくは家族の役割だ。

右手足全く動きません、その程度はそうそうに介護保険サービスをつけて退院か、一般施設に入所してもらう。

医療行為が必要ない患者は病院にとっては赤字を生み出す根源になるからだ。

なので、退院に向けた手続きは全力を注いでマネージメントする。

この手続きで全部含めて入院期間が180日以上かかることなんてまずない。

なので、入院期間180日で免責と記載されている場合は、入院期間で免責されることを期待しても無理だ。

一方で、いきおい退院しても、後遺症のせいで職場復帰できない、もしくは給料ダウンし、住宅ローンの返済が滞る可能性が高い。

どんな人がどの団体信用保険に入れば良いか

では3大疾病こそ至高かというと、そういうわけではない。

まず3大疾病は免責が適用される入院期間が短い分、上乗せ金利が高い傾向にある。

0.25〜0.3%ぐらい上乗せされており、支払いが大きくなる。

また3大疾病は11疾病に比べると保障する疾病の数が少なく、また脳卒中は全般的にカバーしているが、心血管系に関しては心筋梗塞のみであり、保障する疾病の幅も狭い。

11疾病は大動脈解離が含まれるなど、おなじ循環器疾患領域でもカバーが広域である。

ガン以外の住宅ローン免責の可能性は低いが、保障を広く浅くカバーしているのが8、11、全疾病団信ということだ。

また11疾病はそのほか付随する特約が多いケースがあり、先進医療保障特約や配偶者ががんと診断され場合給付金がつくなど、特典が充実しているケースがある。

ではどんな人がどの団信に入れば良いのか、私なりの見解を述べる。

肥満、喫煙者、さらに高血圧など加わり、それでもまだ病気していないなら3大疾病を選ぶべきだ。

喫煙者や未治療高血圧というだけでも3大疾病の方が良いかもしれない。

ガンになる前に、心筋梗塞や脳卒中に罹患する可能性が高いからだ。

そのほか、基本的に健康で遺伝的に血管系リスクがないのなら、11疾病や全疾病団信がよい。

3大疾病よりも上乗せ金利が低く、万一の病気にも幅広く対応してくれる可能性が高いからだ。

私自身、肥満だが、喫煙者ではなく、高血圧治療し管理しているので、11疾病にしている。

3大疾病とかなり悩んだが、今回契約した銀行の特別待遇金利の条件に当てはまったため、11疾病の上乗せ金利がなく、そうすると他行の3大疾病と金利差が0.3%以上違いが生じたため、11疾病を選んだ。

あと以前の職場の上司が大動脈解離で入院したことがあり、それでは3大疾病は保障対象にならないと感じたからだ。

結論

病気にかからないよう生活習慣を節制することだ。

住宅ローンが免責されても、家族の生活が困窮されるため、とにかく病気に罹患しないよう心がけたい。

私の住宅ローンを組んでから、家でのお酒を絶ち、ランニングを開始した。

たまーにお酒を提供する場所でタバコを嗜んでいたが、それももう二度としないと誓った。

つまり住宅ローンを組んだおかげで、健康になることを誓った。

こう考えると、自分の健康寿命を延ばそうとする意識にも繋がり、これはこれでよいきっかけになったと思うようにしている。

タバコも酒もやめて、健康習慣さえ身につけておけば、経済的で健康的な生活を送れるため、結局それがベストな選択であり、そう決心し行動に移せるのであれば、高い団信をつけなくてもよいのかもしれない。

30代後半の医師、専門は脳神経外科。医局の出世レースから早々に弾き出され、田舎の病院でシコシコ診療をこなしていた。つい最近結婚して、ほぼ同時期に妻の妊娠が発覚した。毎日同じような診療をこなすことしか能がない医師が、ついに子育てという超一大事業に立ち向かうことになった。スーパードクターとは程遠い平凡な医師が幸せ家族計画を立ち上げてさまざまなことに挑戦している奮闘記ブログ。

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