※この記事は7月中旬に作成されたもので、情勢によっては判断が分かれる可能性があります!
私たち夫婦が建てたい家をたてるにはいずれにせよ、土地合わせて結局1億は必ず超えると言われた。
ちなみに首都圏近郊、国道16号線より内側だと一般家庭がイメージするような土地50坪、建坪30坪で7000万が最低ラインのようだ。
積水ハウス価格だが。
そもそも積水ハウスで家を建てる世帯年収1000万円クラスがボリュームゾーンとのこと。
さすが天下の積水ハウス。
住宅価格がものすごく上がっていることは事実であり、住友林業の営業担当者からも同様の話を聞いていた。
以前お話しした住友林業の住宅営業マンも自身の家を建築計画中だと明かされ、そのご自宅の見積もりが9000万円近くなったとのこと。
しかし医師の年収は周囲より高いとは言え、調子に乗って8000-9000万よりも高い買い物をして人生が狂わないか、何度も何度も何度も電卓を弾いて考えた。
また金利の仕組みについて、書籍や動画、また今後の金利の動向などについて最新情報を集め、精査した。
考え抜いたその日は目がギンギンになって、夜も寝られないほど。
何日もかけて考えた。
結果、固定金利を地方銀行で組んだ。
なぜ数ある選択肢からその組み合わせを選んだのか。
自分なりに考察したもの内容を復習がてら記そうと思う。
変動金利か固定金利か
2012年から始まった金融緩和やアベノミクス以来ずーーーーっと低金利が続いた。
変動金利も固定金利もいまだに歴史的低水準だ。
2024年7月(記事作成時期)現在一番低金利で貸し出しているのはpaypay銀行。
自己資金10%以上あればなんと年0.270%(基準金利 2.280%-引き下げ幅2.010%)という低金利。
5000万円借入した場合月々の返済額は12.4円になる。
12.4万円のうち、元金11.3万円で利息は1.1万円であり、返済額のうちかなりの比率が元本分を消化することができる。
仮に0.290%のままの金利であれば総支払い額は5258万円でありそのうち総利息は258万円になる。
一方固定金利は住信SBI ネット銀行の年1.200%が最も低い金利である。
同じように5000万円借入した場合月々の返済額は14.6万円になる。
14.6万円のうち元金9.5万円で利息は5万円。
総支払い額は6125万円でそのうち総利息は1125万円だ
なんだか固定金利が非常に割高に思える。
しかしこれは持論だが、固定金利で借りた場合返済できないほどの住宅ローンはそもそも組まない、これに尽きるのではないだろうか。
変動と固定の金利差は1%程度。
おそらくこの程度の金利差は、世界情勢によっては簡単にひっくり返る差だと思う。
変動金利があがったら日本経済が危うくなるから日銀は政策金利を上げられない、という論調がある。
しかし、金利は日本だけの社会情勢を見ていればよいわけではなく、世界を巻き込んだ複雑な社会情勢で決まるわけで、日銀だけが問題ではない。
なお日銀の政策金利は1%程度に調整することは比較的現実的な話であると受け止められている。
中立金利(景気をふかしも、冷ましもしない金利)は1~2%程度と言われているため、物価の状況によっては2%程度まで早期に上げる可能性もある。
しかも一般的には名目GDP成長率ぐらいまで金利上昇は容認できると言われている。
現在目標GDP成長率が3%程度であり、達成されればそこまで金利があがる可能性があるということだ。
何年後かわからないが、長期のローンを組む場合はそれくらい上がる可能性も考えておかないといけない。
それでも魅力的な変動金利
圧倒的な変動金利の魅力は、月々の返済額の元本消化比率の高さだ。
もし仮に未来で金利があがったとしても元本がある程度消化されていれば、残りの分の元本に対して利息なので、金利が上昇しても元本が減っていればさほど返済額が増えるわけではない。
仮に返済額が増えるようになるのであれば、その分繰り上げ返済をして元本を減らせばよい。
つまり変動金利にする場合、金利上昇局面での繰り上げ返済分の貯蓄と、金利上昇が当分先になるのであれば結果的に変動金利の方が安く済む。
先述した通り、固定金利でも返済できない額の住宅ローンを組まないと伝えたのは、この繰上げ返済分の貯蓄の話につながる。
つまり固定金利で借りたお金を毎月用意しておく。
変動金利で浮いた分を生活費に充てないで生活の資金繰りが成り立つかどうかが、変動金利にする条件かもしれない。
変動で浮いた分を繰上げ返済用の貯蓄分にして、この分を手堅い国債などの運用に回しても良いかもしれない。
ただ現在は段階的に利上げしている真っ最中なので、すぐに繰り上げ返済が必要な場面が来てしまうのと、金利の動向を注視しないといけないため、多少めんどくささが買ってしまうかもしれない。
固定金利と変動金利の差が1%にも満たない程度なら正直固定金利の方が気が楽だと私は感じた。
金利の動向に一喜一憂する必要がないのも固定金利の魅力である。
地方銀行かネット銀行かメガバンクか
今ネット銀行が空前の低金利で変動金利を売り出している。
人件費が不要の分、原価(短期金利)の上乗せ分を削ることができる。
なので特筆すべき低金利で提供できる。
しかし基本的につなぎ融資がない。
つなぎ融資とは着工から引き渡しまでにハウスメーカーに支払うお金に対して融資することだ。
ハウスメーカーには着工時、上棟時、引き渡し時、それぞれに支払いが発生する。
そして一般的に融資実行は土地決済と引き渡しされる住宅に対してなので、その間に必要になるお金は融資してくれない。
着工金、上棟時は自分で支払わないといけないが、それに対するタイミングで支払いをしてくれる融資がつなぎ融資だ。
つなぎ融資をサービスとして提供している銀行はハウスメーカーと提携している銀行であり、ネット銀行は基本的に該当しない。
ネット銀行に融資をお願いする場合、つなぎで必要なお金は自分で用意するか、つなぎ融資に対してサービスを展開している銀行と別途契約する必要がある。
つまりめちゃくちゃ手間がかかる。
なので、一般的に注文住宅の場合はハウスメーカーの提携銀行、提携ローンで組むのが一般的であり、だいたいの専門家は提携ローンを勧めているのが現状だ。
注文住宅の出口戦略
一般論で言えば注文住宅は資産価値がないと言われている。
ゼロとは言わないが、戸建てはマンションのように流動性がないため、資産価値は買った額より大きく下がってしまうという。
また注文住宅は施主の癖や好みが出るため、うまくそれにハマる買主の母数が少ない。
マンションであれば、良くも悪くも特徴がなくどれも同じような間取りと普遍的なデザインであり、買主側の物件を選ぶ基準は駅からの利便性など周辺環境になるため、注文住宅より圧倒的に潜在的な買主の母数が大きい。
ここまでは全く異論ない。
しかし戸建ての需給バランスに変化が出る可能性がある未来では果たして注文住宅の価値は低いままであろうか。
というのは今後戸建ての供給量は右肩下がりなのに、長期優良住宅といわれる高性能住宅の需要はかえって増えているからだ。
長期優良住宅とは、ある一定基準の断熱性、耐震性、快適性、利便性、維持管理性を満たしている建物をさす。
これから温暖化でさらに気候変動が凄まじく、熱波や猛暑が災害は多くなる。
また南海トラフ地震も10年以内に30%程度、30年以内に70-80%程度と言われている。
ゆえに地震などの災害や温暖化に強い建物、さらには太陽光を利用して自家消費できるエコホームが求められる。
そんな高性能な家づくりが重要といわれているなか、戸建ての供給量が今後は落ちる。
その主な原因は大工の減少だ。
大工の成り手がおらず、ここ20年で半減、40年で1/3まで減少したと言われている。
しかし長期優良住宅に限っては全世帯のまだ5%程度と言われている。
まだまだ足りないのが現状だ。
確かに今後日本は空き家だらけになると言われているが、そもそもこれからの時代に対応できるよな建物であるどころか、そもそも住めないような廃墟があっては何の意味もない。
ゆえに今後もきちんと住めるような家の需要というのは一定の割合で残り続けると考えられる。
しかし長期優良住宅のような高性能住宅を作ろうとしても人件費がバカ高く、到底一般人が手に入らないような代物になるかもしれない。
そんな状況で、中古の長期優良住宅の需要ははたして今までの注文住宅のように価値は低いままだろうか。
むしろ今後、中古でもよいから高性能住宅に住みたいという買主が増えるのではないだろうか。
災害や温暖化、光熱費などの物価高に対して備えがある住宅はもしかすると、買った価格と同じ価格で売れる時代が来る可能性はないだろうか。
また戸建ての強みは土地を持っているという強みがある。
マンションにはない強みだ。
土地代および建物代に価値があれば、多少ローンが残っていても、子供が独立し、夫婦二人では広い物件になったら売却するという選択肢もあるかもしれない。
少なくとも2040年までは東京都の人口は増え続けると言われており、それまでは首都圏近郊であれば土地の需要は基本的に強まる。
もし戸建てと土地、両方に価値が生まれたらそれこそ莫大な資産形成になるだろう。
今のマンションや土地の考え方からすれば、鼻で笑われるような論理展開かもしれない。
しかし注文住宅は資産価値がない、という一辺倒の考えに、このような逆転の発想は全くもって的外れな意見だろうか。
まとめ
その人の職業属性や人生計画、価値観によって、変動金利VS固定金利、ネット銀行VSメガバンク、どれが好ましいのか変わってくる。
変動金利一択とか固定金利一択とか、PV稼ぎのYoutube見ると辟易する。
一択論者は先々のことは誰も予想できないという当たり前のことを理解できていないか、わかっていて再生数稼ぎか、どちらにせよ全く信用に足る人種ではない。
きちんと勉強して、自分の家計簿を眺めて、自分に合った住宅ローンを決めることだ。
正解は自分の性格、職業属性、価値観(どれに最もお金を投下したいか)を反映した家計簿、自分の将来の計画をよくよく熟慮を重ねた先にある。
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