実は8月18日をもって、積水ハウスと着工までの打ち合わせを全て終えて、先日地鎮祭を取り行った。
請負契約から着工までの打ち合わせ回数は計16回。
基本的に9:30~17:00(長い時は18:00や19:00の時も)
午前中で終わらせた日は2回しかないので、合計100時間を超える打ち合わせ時間だった。
積水ハウスの営業担当者いわく、平均の倍くらいはかかっているとのこと。
自由がききすぎるハウスメーカーであるため、小さいものから大きいものまで、ありとあらゆるものがオーダーメイドであり、つまりは家に関わるもの全てを自分で決めていかないといけない。
とくにこだわりが強い施主(私)であり、また相手も熟練の設計士、またそのチームであるため、ドアひとつ、取手ひとつ決めるだけでも、侃侃諤諤の議論が続き、打ち合わせの量が大幅に増えてしまった。
打ち合わせは大変だが、大好きな家づくりの話だったので、毎回心踊るような楽しさだった。(お金の話以外は)
たくさんあった話し合いの一部を紹介しよう。
床材
最初提案されたのはグリとよばれる、グレーの色合いの挽き床だった。
最初は挽き板にするか、無垢床にするか迷っていた。
ハウスメーカー側としては、クレームを恐れて、最初は挽き板で提案する傾向が多いようだ。
無垢板はメンテナンスに手間がかかり、反りや軋みが発生するため、クレームになりやすいようだ。
しかし床は毎日一番肌に触れる部分なのでこだわりたいところである。
はたして私が選んだのは、檜の無垢床だ。
選んだ理由は以下になる。
- 針葉樹である
- コストが安い
- 妻が檜の匂いを好む
まず、針葉樹にした理由だ。
広葉樹に比べて、柔らかく温かみを感じるため、冬の足場がひんやりしにくい。
足触りがよく、断熱性能を高めれば、床暖房は不要なほど温かみを感じる。
ただ柔らかいためキズがつきやすいというデメリットがある。
次にコストが安いということ。
これは意外だった。
杉の次くらいにコストが安かった。
檜は高級なイメージがあったのに意外だった。
最後に妻が檜の匂いを好むということ。
コストが安く、自分が採用したい木材が、妻の好きな香りの木材であることは僥倖である。
私はあまり木の匂いの違いがわからないので、あまり匂いにこだわりがないが、一般的に檜は人に好まれる香りで、虫は嫌う香りなので、家の床材では理想的なのではないだろうか。
キッチン
私と妻は海外製のフロントオープンの大型食洗機を希望していた。
1日分の食器を一気に洗うことができる食洗機はお互い家事をする上で、是非とも欲しい家電だ。
しかし海外製は故障ありきらしく、壊れた場合経年劣化として受け入れるべきと言われた。
海外製に不安を覚えていた私たちだが、このタイミングでなんと国産のフロントオープンの食洗機が登場した。
パナソニック食洗機だ。
パナソニックブランドにひかれ、かつⅡ型キッチンを切望する妻のため、L-classを選んだ。
約300万円。。。
しかしチーフアーキテクトにもキッチンは部屋の顔になるから、キッチンのランクで、部屋の質も決まると言われ、それならばと了承した。
造作洗面台
洗面台の幅は180cmもあり、既製品で用意されている商品はえらく高額なものばかりだった。
その場合は思い切って造作洗面台にした方が、コストが抑えれると聞いた。
そのため、チーフアーキテクトにお願いし、施工例をいくつか参照しながら、自分の好みを伝えていった。
結果的に10万円以上の減額となり、かつオシャレな洗面台にすることができた。
造作洗面台すらも設計士が担当する場合もあり、その場合は当然設計士の施工経験とセンスが問われる。
相手が信用できる設計士ならば思い切って相談するのはアリかもしれない。
外構
外構とは建物の周りの設備のこと。
庭、駐車場、門扉などデザインに関わることから、近隣との境界線、壁、水道、下水、電気など付帯工事なども含まれる。
付帯工事だけでも100万円以上はかかる。
一般的な普遍的なデザインで収めると総額400-600万円はかかるようだ。
しかし我々の100坪クラスを積水ハウス建物と遜色ないものを作るとすると、1500万円はかかるとのこと言われた。
なんと結局1600万円かかった。
住宅ローン地獄が加速することはわかってもなお、あまりに素晴らしい提案を削りきれず提案を丸呑みしてしまった。
こんなちょろい夫婦もいるもんかな、と自嘲した。
なぜこんなに外構費用がかかったのかというのは、実際建築を披露してから説明しようと思う。
外構の3Dパースみたら、正直Instagramのどの画像にも劣らない、オシャレすぎるテイストになっていた。
あまりにもカッコ良いので、ほんとうにここに我々が住むのか、と少し実感がわかなかった。
今回本邸に関わっていただいた方々の施工実績を拝見する場面が多かったが、いずれも規模の大きい予算組をしているご家庭の建築を多数手がけているようだった。
つまり実績のあるチームで本邸の設計に臨んでいただいたことがわかる。
それだけ今回積水ハウス側が強力な布陣を敷いていることが伝わった。
設備内容
スイッチどこにするとか、何個にするとか、外構の電気どうするか、太陽光何kwにするか、などどちらかというと性能面での話し合いになる。
自邸には太陽光と蓄電池を採用した。
太陽光は経済的メリットのため、蓄電池は災害対策のためだ。
これらについてはいずれまた記事にするつもりだ。
そのほか細々とした設備も自分で決めていくことにある。
正直スイッチなんてあんまり考えていなかったが、これはチーフアーキテクトとは別の設計士が担当してくれた。
デザインや間取りなどマクロ的な内容ではなく、そういった業務的なミクロな内容を担当するようだ。
しかしこの設計士も非常に有能な方で、あらかじめ話す内容を決めておき、クローズドクエスチョン方式で内容が決まっていくため、いちいち一から考えなくてもよい。
このスイッチというのは理論上どこにでもつけられるので、高さなども決められるので、無限に可能性があるため、一から考えると、それこそ疲弊してしまう。
なので、チーフアーキテクトと設備担当の設計士があらかじめ候補を決めた段階で、提案してくれた。
そのため業務的なあまり心躍らない話し合いになりがちな、スイッチ、コンセント関係の話についても気持ちよく決定していくことができた。
あまり、力が入らない話の内容だけに、適当に決めがちな内容だが、これを怠ると本当に住みにくい家になってしまうだけに、有能なスタッフがいるだけで本当に助かる。
積水ハウスが高い所以はやはり優秀なスタッフを味方にする金額が含まれていることを十分感じた。
インテリアコーディネーター
今回これが一番残念なポイントだったのが、インテリアコーディネーターがそのほかの担当に比べて、えらく見劣りした。
今までがとてもスムーズだったのに、ここで躓くのはかなり惜しい。
このチーフアーキテクトのチームには初参戦のようで、チーフアーキテクトの流儀にもなれてない印象もあった。
場当たり的で、最初から提案を用意していない。
打ち合わせに対して事前準備が乏しく、今までの話し合いの経過を頭に入れることもできていない印象だった。
なので、せっかく今まで優秀な方々に決めていただいた内容を蒸し返してしまうこともあり、決定事項が変わってしまったこともみられた。
これに関して営業担当マンに是正を求めたが、その後、多少マシになっただけで基本的に話し合いがスローテンポであることには変わりなかった。
しかもチーフアーキテクトが最初の段階でおすすめしていただいた家具を我々は実際みて気に入ってすでに購入したため、インテリアコーディネーターがしたことは壁紙とキッチンと洗面所のタイルを決めただけだ。
もちろん壁紙やタイルは部屋の雰囲気を大きく変えるので、重要事項だが、そこでもチーフアーキテクトの指示があったようにも思える。
何のためにいるのか、インテリアコーディネーターの存在意義がなかった。
おそらく、それだけチーフアーキテクトの能力が高く、全体像がすでに決まっていた影響だろう。
結局担当する設計士がどれだけ有能かで家づくりは左右されてしまうようだ。
積水ハウスの打ち合わせ
ローコストメーカーとは違い、打ち合わせの回数や時間に制限はないといってよく、営業マンから焦りは微塵も感じなかった。
むしろ、施主側が、着工に間に合うのかどうか不安に思っていたくらいだ。
本当に自由がきくハウスメーカーだけに自分が決めなければならないことが多い。
いちいちこんなことまで施主が決めるのか、とため息をついてしまいたくなるほどだ。
しかし有能なスタッフを味方につければ、向こうから間違いのない提案をしてくれる。
その提案された中から、自分で決めていくスタイルが一番良いのではないだろうか。
天下の積水ハウスの打ち合わせのホスピタリティーはさすがだ。
打ち合わせ時間にはエレベーターの前で営業マン二人がお出迎えしてくださり、受付のお姉さんが冷たい、もしくはあったかい飲料水を持ってきてくれる。
不安、不満点は営業マンが即座に拾い上げて、営業時間外だろうが、なんだろうが、調査して答えてくれる。
働きすぎではないだろうか、というレベルで営業マンは対応してくれる。
なので、こちらが気を使って、営業日、営業時間内にメールなども含めて連絡を入れる。
営業時間内にお願いしますという文言を添えて。
それでも営業日外で連絡くることも多く、つくづく体を壊さないようお願いしたいところだ。
まとめ
優秀な営業マンと設計士が担当すれば、口を開けながら提案を受ければよいかもしれない。
私も最初そのようにしていた。
しかし、結局大手ハウスメーカーは、施主からなにかしら提案しないと、大海原に羅針盤を持たず航海に出るようなもので、どういった家づくりにするか方針は全く決まらない。
最低限「どんかテイストにするのか」というのは伝えるべきだ。
自邸を例にあげるのであれば「和モダン」を目指した。
それだけでも大きく指針が決まる。
この大きな指針のおかげで、使用する壁紙や家具などマクロな部分だけでなく、さまざまな細かい部分の仕様まできまる。
その最たる例に感じたのが、タイルを横張にするか、縦張りにするかだった。
自邸には外壁に一部煉瓦を取り入れるのだが、和テイストに寄せるため、縦張りにした。
造作洗面台の鏡のタイルも縦張りにした。
といったように、大きな指針を立ててしまえば、あとは優秀なスタッフが形にしてくれる。
ただもうひと頑張りして、どうやって仕上げるとオシャレに見えるのか、それともそれを知った上で、オシャレより利便性をとるのか知識として入れておいた方が良い。
例えば、窓枠の部分について。
私は自邸にクロス巻き込み仕上げをお願いした。
クロス巻き込み仕上げとは窓枠🪟をいれずに、壁クロスをそのまま窓に繋げてしまう方法だ。
窓枠をなくすことで、すっきりとした見た目で、うちと外をつなげるクリアビューをより洗練された雰囲気を演出したいのであれば是非とも採用したい。
しかし、最初は設計士の方では、こちらから提案するまで、その手法に対して切り出さなかった。
ハウスメーカー側としてはクレームにつながるような手法をとりれたくないからだ。
今回のクロス巻き込み仕上げも掃除するとき、埃で窓周囲の壁クロスが汚れるリスクになるからだ。
しかし、それよりも施主が洗練されたデザインを重きをおいていることをこのように知った上で、提案してくると、設計士側もデザイン>利便性という考えにスイッチすることができる。
設計士も恐れず、デザイン重視の提案ができるようになるのだ。
勉強した上でリスクも承知で、デザインを優先させたい、そういう意思がある場合は、そのことを伝えるために、施主側も勉強すべきであると感じた。
これら語ってきたような内容は実際の画像がでないとイメージがつきにくいと思うので、完成次第画像をアップしていたい。
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