特殊な人間、特定の状態でなければどの勤務医も憂鬱になる当直。
昨日は当直明け後に、さらに日勤を終えて帰宅し泥のように眠り今日朝に至った。
医師の当直の異常なシステムは昨今ニュースになっている「医師の働き方改革」で取り上げられているため世間様にも知られるようになった。
何が異常かというと、通常の勤務後に夜間勤務を続け、また翌日に通常勤務につくという、連続30時間以上労働であるからだ。
なぜか医師はこのブラックな劣悪労働環境を受け入れてきた。
そして今もそれは平然と行われている。
大体夜中に労働力が手薄な時間に患者は重症化するもので、また診察態度にタチが悪い患者が多いのも夜間。
その夜間対応を私の総合病院は内科1名、外科1名で対応しなければならない。
どの市中の総合病院も似たようなものだろう。
もちろん救急車の対応以外にも入院患者の急変時対応もその少ない医師でやる。
壮絶な労働環境だが、この労働に耐えられる医師の数も限られており、さらに眼科や耳鼻科や精神科、皮膚科など夜間にいてもほとんど役に立たない。
なので、急返時夜間対応できる救急科、それに準じるような急変が多い科、さらに体力がある医師でないと対応できないのだ。
なので我々のような医師に必然皺寄せがくる。
そしてその報酬は極めて低い。(大学病院だと3千円くらい)
なぜこのようなことが罷り通るのか。
勤務医(特に急性期)を守ってくれる制度、団体がいないからだ。
医師会はほとんどが開業医で構成されており、開業医の利権を守ることで必死だ。
なので勤務医に対する守りが疎かになる。
あと結局は世間の風当たりの強さ。
高給取りのイメージと華やかな職業イメージで守るべき対象にならない。
お金持ちではなくても貧乏人でもない勤務医を守る前に、貧乏人を守れと。
しまいにはジジイ医師たちの昔話。
むかしはこんなもんじゃなかったぞ!てきなどこにでもある年寄りの昔自慢話。
昔話、ジジイたちの記憶など曖昧で実際言うほど今の我々より厳しいかどうかは怪しいものだ。
なので、その当直を乗り越えてきた苦労人(ジジイたち)も擁護するところか結局は若い医師の尻を叩いてくる。
まさに老害。
そんなこんなでいまだ当直という劣悪労働システムは絶賛稼働中なのだ。
しかし2024年医師の働き方改革制度が本格的にはじまる(尻すぼみになるかもしれないけど)。
いよいよ、当院のような若い医師を馬車馬の如く働かせている総合病院にメスが入る。
労働時間を厳しく制限されるのだ。
大学病院が医師にバイトに行かないようにしてしまうなどより劣悪な環境になる懸念がある。(大学病院の給料が安すぎて、市中病院などにアルバイト週1,2日行く)(大学はそれを研究日(休日)扱いにしているためアルバイトは勤務ではないと今まではみなしていた)
大学病院や総合病院と勤務医との雇用関係は他の職業とあまりに異質なため、単純な労働時間制限では勤務医の給料はどん底まで落ちてしまう。(月10万とかwww)
当直から医師の働き改革まで脱線したが、本当に不当な労働システムで総合病院の勤務医は働いています。
外来にくる皆様は呼ばれる時間が遅いなど不満があっても間違っても医師に当たることはしないよう深くお願い申し上げます。
我々も頑張っていますので。
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